シューパロ湖に沈む森林鉄道遺構―三弦橋と重構桁鉄道橋(その1)

 北海道夕張市に、シューパロ湖という湖がある。今から半世紀ほど前に、大夕張ダムの完成によって誕生した人造湖である。当時、石炭の産出とともに、林業でも栄える町だった夕張には森林鉄道があり、ダムの建設で水没する路線は架け替えられることになった。

 しかし、林業の衰退とともに、ダム完成から数年を経ずして廃線となり、ダム湖とその湖畔にはいくつかの橋梁が残されることになった。下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁こと三弦橋は、湖面に静かにその影を落としていた。
下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁(三弦橋)(2009年8月14日筆者撮影)下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁(三弦橋)(2009年8月14日筆者撮影)

 第二号から第四号までの橋梁も、湖畔の国道沿いから遠望することができた。
下夕張森林鉄道夕張岳線第二号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)下夕張森林鉄道夕張岳線第二号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

下夕張森林鉄道夕張岳線第三号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)第三号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

下夕張森林鉄道夕張岳線第四号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)第四号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

 そして、第五号橋梁と第六号橋梁には、独特のトラスが使用されていた。旧日本陸軍の鉄道部隊が用いた、分解可搬式のトラス桁である重構桁(JKT)である。おそらくは終戦後、資材不足の時代に残っていた国内在庫を用いたものだろう。
下夕張森林鉄道夕張岳線第五号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)下夕張森林鉄道夕張岳線第五号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

下夕張森林鉄道夕張岳線第六号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)第六号橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

 大夕張ダムの直下に、新たに夕張シューパロダムが計画され、近年建設が進められてきた。ほぼ完成に至ったシューパロダムは、大夕張ダムとこれら橋梁群を飲み込んで、現在試験湛水中である。
 2014年4月28日、この日をもって三弦橋以下の残存橋梁はすべて水没し、以後は水位の低下時に出現するのみとなった。現時点での試験湛水の状況はこちらのとおり。

夕張シューパロダム 試験湛水状況写真

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 同時に、同じく湖畔を走っていた三菱石炭鉱業大夕張鉄道線の旭沢橋梁も水没することになる。旧国道より撮影、奥に見えるのは付け替えられた新国道。
三菱石炭鉱業大夕張鉄道線旭沢橋梁(2009年8月14日筆者撮影)三菱石炭鉱業大夕張鉄道線旭沢橋梁(2009年8月14日筆者撮影)

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 大夕張ダムと夕張シューパロダムの位置関係。手前が大夕張ダムで、三弦橋はその提体のわずか上に位置する。
シューパロダム(2013年8月11日筆者撮影)

シューパロダム(2013年8月11日筆者撮影)シューパロダム(2013年8月11日筆者撮影)

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 そして2014年夏。これら橋梁を飲み込んで、シューパロ湖は水を湛えている。
シューパロダム(2014年8月13日筆者撮影)

シューパロ湖(2014年8月13日筆者撮影)シューパロダム(2014年8月13日筆者撮影)

 わずかに旭沢橋梁のみが、一部を水面上に現していた。
三菱石炭鉱業大夕張鉄道線旭沢橋梁(2014年8月13日筆者撮影)三菱石炭鉱業大夕張鉄道線旭沢橋梁(2014年8月13日筆者撮影)
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