シューパロ湖に沈む森林鉄道遺構―三弦橋と重構桁鉄道橋(その2)

 さて、シューパロ湖に水没した重構桁(じゅうかまえげたorけた,JKT)鉄道橋であるが、元をたどれば、昭和23年(1948)に桜田機械が札幌営林局に重構桁6連168トンを納入した記録があるようだ。
 その内訳は不明であるが、これが大夕張ダム完成前の下夕張森林鉄道旧線に用いられ、重構桁鉄道橋として、第一号橋梁(支間20m2連)、同第四号橋梁(14m2連)、同夕張岳旧線 下夕張川橋梁(27.5m2連)、同第一号橋梁(20m2連)の4橋梁計8連が存在した。

 そして、大夕張ダム完成による水没補償工事として、下夕張森林鉄道の第一号橋梁(三弦橋)が完成したことは前述したが、この時27.5m2連(第六号橋梁)、20m1連(第五号橋梁)が転用され、他に20m1連(現存しない)が新線に移設転用されたようだ。
 となると、ここで行方不明になった重構桁は、補償工事時に20m2連と14m2連、廃線後に20m1連である。これらの重構桁はどこへ消えたのか。

 このうち、20m1連は所在が知られている。国道452号を北に向かうと、道路からも姿が確認できる。小巻沢林道橋である。 幸いにして標高が高く、シューパロダムの建設によっても水没する位置にはないと思われる。よって、この旧軍遺産もまだ目にすることができるだろう。。。今しばらくは。
小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)

 近年右岸の橋脚の洗掘が進み、すでにレベルが保てなくなりつつある状態である。
小巻沢林道橋(2007年9月21日筆者撮影)小巻沢林道橋(2007年9月21日筆者撮影)

小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)

小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)小巻沢林道橋(2009年8月14日筆者撮影)

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 もうひとつ所在が判明しているのが、パンケホロカ右股林道の香取橋である。約17m2連相当が使用されており、こちらは位置的に水没の恐れはない。
香取橋(2011年8月17日筆者撮影)香取橋(2011年8月17日筆者撮影)

小巻沢林道橋は研究文献や「鉄道廃線跡を歩く」シリーズ(旧版)にも取り上げられており、まだしも知名度があるが、こちらはまったくといってよいほど鉄道分野に存在が知られていない。わずかに炭鉱跡を追う人達が、その存在をWeb上に記している程度である。
香取橋(2011年8月17日筆者撮影)

 ここ10年間ほど毎年夏に渡道して調べてきたが、残る14m2連の所在は掴めていない。果たして、この夕張の山中に存在するや否や。「かとりはし」と「昭和42年8月竣工」の銘板。
香取橋(2011年8月17日筆者撮影)香取橋(2011年8月17日筆者撮影)

香取橋(2011年8月17日筆者撮影)香取橋(2011年8月17日筆者撮影)

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 最後に、今の地理院地図からは消えた森林鉄道の痕跡。いずれ三弦橋も地図から消えるのだろうが、重構桁鉄道橋が消えるのはいつのことだろうか。
国土地理院地図(2006年)
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