ヒ86船団の最期(その1)

 1945年1月12日、擱座炎上する戦時標準船2A型。この日はヒ86船団が空襲を受けて壊滅した日で、船体の状況からみて大津山丸(三井船舶,6,859総トン)と思われる。
80-G-301338 Carrier Raids in the South China Sea
(出典:80-G-301338, Naval History and Heritage Command)

 同日、爆撃を受ける貨物船。船体前方にキングポスト2本が特徴だが、 戦時標準船K型の辰鳩丸(辰馬汽船,5,396総トン)だろうか。日本鋼管鶴見建造のK型の写真を見たことがないので、特定し難い。
80-G-301330 Carrier Raids in the South China Sea
(出典:80-G-301330, Naval History and Heritage Command)

 同じく、擱座炎上する戦時標準船2TL型の極運丸(極洋捕鯨,10,045総トン)
80-G-300689 Japanese Tanker
(出典:880-G-300689, Naval History and Heritage Command)

 同じく1945年1月12日、擱座した2隻の輸送船。キャプションでは奥の燃えている船が2,500t、手前が4,500tということになっているけれども。。。
80-G-301336 Carrier Raids in the South China Sea
(出典:80-G-301336, Naval History and Heritage Command)

 船型と状況から見るに、共にヒ86船団で手前が平時標準船C型の昭永丸(大阪商船,2,764総トン)で、奥が第六十三播州丸(西大洋漁業,533総トン)か優清丸(東京都屎尿運搬船,600総トン)ではないだろうか。奥は前者の可能性が高いと見るけれども。
 「播州丸」は大洋漁業でよく運搬船に命名されるが、第六十三播州丸は三菱下関建造の戦時標準型漁船ト型(トロール船)で、船首部マストの形状からこちらの方の可能性が高いように思う。
トロール船利根丸(535総トン,日本水産,戦標漁船ト型(続行船))
トロール船利根丸(535総トン,日本水産,戦標漁船ト型(続行船))(画像出典:日本水産の70年)

 別の角度から。
NH 95605 Carrier raids in the South China Sea, January 1945
(出典:NH 95605, Naval History and Heritage Command)

 こちらにヒ86船団に所属していたさんるいす丸戦闘概報の一部が掲載されており、各船の擱座位置略図を見るに、やはり昭永丸と第六十三播州丸ではないかと思われる。
 

【ヒ86船団所属船】
極運丸(極洋捕鯨,10,045総トン):戦時標準船2TL型
さんるいす丸(三菱汽船,7,268総トン):在来型油槽船
大津山丸(三井船舶,6,859総トン):戦時標準船2A型改造油槽船
昭永丸(大阪商船,2,764総トン):平時標準船C型改造油槽船
永万丸(日本郵船,6,968総トン):戦時標準船2A型
予州丸(宇和島運輸,5,711総トン):在来型貨物船(ex-SS Niels Nielson, Skinner & Eddy)
辰鳩丸(辰馬汽船,5,396総トン):戦時標準船1K型
建部丸(大阪商船,4,519総トン):平時標準船B型
第六十三播州丸(大洋漁業,533総トン):戦時標準型漁船ト型(トロール船)
優清丸(東京都,600総トン):在来船(屎尿運搬船)
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